川崎事件(ファイル2)
冬期講習が始まって売上管理だけでなく、講師の生徒コントロール力に関してのチェックを行った。
授業中にあたしが入っていって、生徒の姿勢などに先生がどう対応しているのかを見るというもの。
気づいた点があればあたしが後でその講師にコメントを加えていく。
川崎社員の英語の授業だった。
たった4人の生徒。なんとなく授業が始まってあたしは一番後ろの席に座った。
講習のテキストを開く生徒たち。
5分もしないうちに異変。
「ん?」
あたしの隣にいる生徒が顔も上げずに必死に問題を解いている。その間、川崎先生は宿題の解説をしていた。
一人だけとにかく必死に問題を解いている生徒。
宿題わすれたのかな。。。だから今やらされてるのかな
「ん?」
川崎先生が持ってるテキスト。。。
こいつのとちがくねっ??
川崎先生の宿題の解説が終わった。。。
が、隣の彼は顔を一切上げることなく必死に問題を解く。そこだけが違うワールド。
突然、前方に座っていた生徒が後ろを振り返って
「いいよな~本田は。学校の宿題塾でやってて。。。でも講習代もったいなくねえ?」
えぇぇ!!
「いいんだよ。しようがねえんだよ。俺は宿題多いんだからさ」
と言って当の生徒は再び宿題に没頭。
か、かわさきぃ~(ブルブル)
そして、30分が経過。
まだまだ必死に彼は解く解く解く。
あたしは飽きれて教室を出て行った。
川崎事件(ファイル1)
勤務し始めて1週間。不可解だと思ったのが、川崎社員。
「三宅室長、ちょっと。。。」
と給湯室に呼ぶ(ここ個室なんだな)
「川崎さんって授業しないの?」
「するょ」
「でも今日も昨日も授業やってないよ」
「ああ。昨日・今日は授業ないねぇ」
えぇぇ!!
「じゃあ、だって社員でしょう?」
「うん、そぅだょ」
「見てたけど、彼は1日何もしてないよ」
「そぅなのぉ~困っちゃってて」
えぇぇ!!
そんなんでいいのか!!
「何か書き物してるみたいだったよ」
「なんだろう。。。」
な、なんだろう。。。って(汗
「彼が授業できるクラスないんだよねぇ~クレームでちゃうから。だから受付でいてもらってるようなもん??」
ようなもん??ってなぜに疑問形?それに顔面髭でいいのか!?びっちり顔じゅう生えてて表情わかんないんですけど、受付。。。
たまたま給湯室で一緒になった川崎さん。
カップ麺を今日も食べてる。
「川崎さん、いいもの食わないと」
と軽く言ったら
「給料安いんで」
そうなのか。。。そうだよな。あれだけの働きじゃあねえ。
と思っていたら、何かの機会で清水さんに彼の給料を聞いたところ
「30万ですよ。手取り。困っちゃうんですよ。仕事ないのに。。。」
いぃぃ~~~!!!
あげすぎってか、高すぎっっ!!どこが安いのかっっ!!なんで毎日カップ麺!!!
しかし、そんな彼も年貢の納め時だった(ニヤリ
申込書が命です(坂本家事件)
申込書というのは生徒1名あたり1枚書いてもらうのが基本です。っていうか当たり前?
私立○○中の4人組
4人のうちの一人から申込書がやっと出てきました。
よくよく見ると、欄外に
「4人まとめてお願いします」
の一筆
「三宅室長、この4人まとめてお願いしますってのは4人とも講習に参加するってことなのかな?」
「うん。そうだょ」
「じゃあ、他の3人からは申込書はもうでてこないの?」
「でてこないの」
でてこないのじゃなくってっ(怒
申込書というのはとっても大切。これが出てなければ参加できないし、のちのちトラブルことも。
坂本姉弟
本人たちは参加すると言っている。
再三再四、申込書を持ってくるように言っている。
生徒本人に言っても持ってこないから、電話で督促だな。
「あ!お母様ですか?○○塾の者ですけど。申込書がまだ届いていないので、次回必ずお子様に持たせてください」
「ごめんなさい。わかりました。必ず持たせます」
全く問題なく了解。
待つ。高校生の姉来塾。
「申込書持ってきた?」
「え!もってきてないよ」
「昨日お母さんに言っといたんだけど。聞いてない??」
「うん。聞いてないよ」
明日、弟に持たせるのかな??
待つ。小学生の弟来塾。
「申込書持ってきた?」
「え!もってきてないよ」
「おとといお母さんに言っといたんだけど。聞いてない??」
「うん。聞いてないよ」
くっそ。。。ありえん。仕方ない、再督促だ。
「あ!お父様ですか?○○塾の者ですけど。申込書がまだ届いていないので、次回必ずお子様に持たせてください。お願いします」
前より強く丁寧に。
「ごめんなさい。わかりました。必ず持たせます」
全く問題なく今度も了解。
待つ。高校生の姉来塾。
「申込書持ってきた?」
「え!もってきてないよ」
「昨日お父さんに言っといたんだけど。聞いてない??」
「うん。聞いてないよ」
待つ。小学生の弟来塾。
「申込書持ってきた?」
「え!もってきてないよ」
「おとといお父さんに言っといたんだけど。聞いてない??」
「うん。聞いてないよ」
お前ら、いい加減にしとけよっっ(怒
「三宅室長~坂本姉弟のとこはなんで申込書もってこないの??」
「あ~あそこねぇ~いつも出さないょ」
「でも今回は親も子も講習やるって言ってるんだから、申込書出さない理由がわからないんだけど」
「んーなんでなんだろうねぇ~やるって言ってもいつももってこないょ」
あんたもそんなん許すんじゃねぇ(怒
あたしもかなり意地。再電話。
「あ!お母様ですか?○○塾の者ですけど。先日お話したのですが、申込書がまだ届いていないのですが。。。」
「あぁ。。。え!締切りっていつでしたか??」
「いやあ、締め切りってのはないんですけど、明後日から講習が始まるものですから」
「あ!じゃあ、今日の夜に塾まであたしが持参します。それでよろしいでしょうか?」
お!なかなか殊勝な心がけじゃん♪
「そうですか。そうしてもらえると助かります」
申込書を提出してから参加できるという態勢を作りたい。そうしたことがここの塾には欠けている。
待つ。午後9時。。。10時。。。11時。。。
終電がなくなるので帰った。
翌日電話。
「あ!お母様ですか?○○塾の者ですけど。昨日お越しいただけなかったのですが。。。」
「あ!ごめんなさい。仕事が忙しくて時間取れませんでした。ごめんなさい」
「いえいえ。わかりました」
最後の手段。
「あのーご自宅にFAXはございますか?」
「ええ。あります」
「では、とりあえずFAXで申込書記入いただいたものを送っていただくわけにはいけませんでしょうか??」
「できますよ。いつまでに」
「明日中までにいただければ結構です」
「わかりました。ごめんなさいね。明日必ず送っておきます」
待つ。午後9時。。。10時。。。11時。。。
未着。翌日。
来たが受信の後見れず。。。
待つ。午後9時。。。10時。。。11時。。。
未着。翌日。
いい加減にせーよ。お前ら。ナメとんのかっっ(怒
で、結局講習初日に彼ら姉弟は現れる。もちろん、申込なしで講習参加。
今だかつて申込書をこの家庭からゲットできた先生はいない。
坂本家よ。あなた方の辞書に「申込書」の3文字はないのか。。。
やってられん
続々申込書の届いた日があった。
♪♪♪
「これで確実に売上目標いくよー。この調子で頑張ってこー」
と申込書を持ってくる先生たちにあたしは声をかけてた。。。
そして今までになく申込書をじっと見ちゃった。。。ところ
不幸は突然訪れる。
「ん?んん??」
前期に○。。。??
えぇぇ!!
恐ろしくなって今まで回収した全ての申込書の入ったファイルをひったくるように掴んで開く。
あ。。。あぁぁぁ
前期○、前期○、後期○、後期○、前期○。。。。通期○、後期○、、、
いっ!いっえぇぇぇ~~~~
今までにない心の雄たけび
自分のふがいなさに絶叫
なんで、前期と後期に分けて申し込み登録できるようになってんだっっ!!
そう、生徒に「やったほうがいいよ」という提案はよくないと言った。
同じく父母に対して「前期、後期でも参加できますよ」という提案。。。
それが書面でしっかり書かれているようなもん。ミスった。。。ちゃんと申込書確認しとくんだった。。。
おわかりですか??
これで売上予測の半分近くがふっとぶっ!!
さらにもう一つ
教科数を平然と減らして登録している者。。。
いましたよーごろごろと(泣
その他、売りあがらない理由
中3受験生がやらないっ。やっても後期のみや3教科だけ。。。
高1生は全員私立っ。だから学校で講習あるからって。。。
高2なのに。。。高2ってもう受験生扱いなのに。。。参加しないのはなぜっ??
スタッフと狂ったシステムに足を引っ張られ、どんぞこにたたき落とされる。
しかしどうしても売上は行かねばならぬ。あたしのプライド。
既に申し込んでいる生徒に対して、教科数の増加や参加回数の増加をあたしが直接進言。冬期講習日程が終了しているにも関わらず売り込みを続けて最終的に1月10日に250万円を涙涙で達成する。
真面目な話。売上目標達成のためには早期情報の収集による売上の段階的確定が最も大切。安定的な売上を持つことが経営にとっては一番。
そこで、申込は前期・後期で分けて申し込ませないとか通常期にとっている教科数で参加するとかいったことは非常に大切。また、教材費も講習に参加するしないに関わらず徴収する。そうしたシステムや方針の確定が安定的な売上につながることを皆には知ってもらいたい。
ここでの皆は、この読者ではなく、この塾のスタッフ全員ですよ。
次回からは再び特定珍人物事件簿になりますよ。
断る理由
12月第四週
申込書33枚回収。
ここに来てようやく、講習に出る気があるのかないのかという生徒や家庭の動向が見えてくるようになった。とはいえ、講習までもう2日。やはり50%の参加まで行っていない。ここでやるかやらないかわからない家庭や検討中の家庭や断られた家庭に一気に電話をかける。それで話がひっくりかえるのだろうか?
やるかやらないかわからない家庭バージョン
あたし「もしもし~○○塾の金田と申します。いつもお世話様でございます~今お時間少しよろしいでしょうか?今日お電話差し上げましたのは、今週末より始まる冬期講習のことについてなんですが、申込書のご提出がまだのようなのですが」
で一呼吸置く。
受話器「あ!すいません。申込書まだ出してませんでしたか?」
あたし「ええ、でてないんですよ~明日お子さんくるときに持たせてもらえますか??」
受話器「はい。わかりました」
検討中の家庭バージョン
あたし「もしもし~○○塾の金田と申します。いつもお世話様でございます~今お時間少しよろしいでしょうか?今日お電話差し上げましたのは、今週末より始まる冬期講習のことについてなんですが、申込書のご提出がまだのようなのですが」
で一呼吸置く。
受話器「あーあさってからでしたっけ?」
あたし「そうです。今回どうされますか??」
受話器「あー今回はいいです。辞めておきます」
あたし「わかりました。では今後ともよろしくお願いします」
一度断られた家庭バージョン
あたし「もしもし~○○塾の金田と申します。いつもお世話様でございます~今お時間少しよろしいでしょうか?今日お電話差し上げましたのは、今週末より始まる冬期講習のことについてなんですが。前回、担当の軍司から電話させていただきましたが、その際に日程の都合がつかないということでしたね。で、個人授業という形ならば短い期間で講習授業をすることができますので、そのご提案なんです。4日ほど空いてる日がありませんかねえ。。。」
まくし立てる。掴んだら離さないよ、あたしは。
受話器「絶対やらなくちゃいけませんかねえ?」
あたし「お母さん!!いやあ、ぜひとも講習には参加いただきたいのですよ。お子さんの弱点のですねえ。。。」
で話を進めていくうちに2件が1日ならよいとの返事。
かかったな(ニヤリ
①小3家庭に:「じゃあ、国語の読解のコツをやりましょう。2コマで2時間。短い時間でコツだけをっ徹底的にコツだけをっ。。。」
ゲットォ♪
②中1家庭に:「じゃあ、英語のローマ字徹底指導でいきましょう。6コマで午後1時~7時まで徹底的にローマ字をっ。狂ったようにローマ字をっ。。。」
ゲットォ♪
お金が出せないという家庭は無理なのでそんな家庭に労力はかけない。講習に意味がないという家庭は無理なので労力はやはりかけない。お母さん方、日程を断る理由にするのはミスったね。あたしのようなハイエナは1日でも空いてる日があれば、そこにいくらでもぶち込みますよぉ~(笑」
でとうとう、参加率70%までに到達♪ところが。。。
売上250いかないっっ!!!??
な、なぜ。。。だって試算だったら250は軽く行くはずだったよ(泣)そう、
そこにはあたしの予期しない大きな穴ぽこがあったのだった。。。
12月第四週。。。
生徒をダンボールにぎゅうぎゅう沢山詰めたよ。詰めれるだけ。
じゃあ、これ持って運ぶかと勢いつけて抱えたらあまりの軽さにもんどりうってひっくり返った。。。