本人訴訟日記(以前→過払い金請求日記) -259ページ目

本当の口コミビジネス

山下が教室長の教室が別にある。そこでも色々と打ち合わせをする。あたしも駆り出される。

もうすぐ生徒が続々と来塾する時間。事務室の椅子に座って

 

 

 

「山下んとこは、いいよなーまだ生徒少ないからさ。目標生徒数も少ないし」

「いやーでも2年目に突入してそろそろ増えてくれないとって清水さんから言われてるし」

「そっかー」

 

 

あたしは棚にある名簿を取って捲りながら、何気なくホントに冗談のつもりで

 

 

 

清水って中2にいるねえ。清水さんの息子だったりして??(笑」

 

 

そうだよ

 

 

 

えぇぇ!!

 

「嘘つけっ」

 

 

 

あたしの手元にある名簿を山下は覗き込んで、指差すと

 

 

 

「この寺本っていう子。社長の息子

 

 

 

えぇぇ!!

 

「あと、この加藤ってのと吉澤ってのと木島ってのは、本体の会社の社員の子供

 

 

 

えぇぇ!!この塾は寺子屋っ!?給料天引き状態っ!!


「ど、どういうこと??」

「どういうことって言ってもねえ。。。」

 

 

 

まさに口コミビジネスの原点!!

一族郎党から攻めるっ!!

 

「もうすぐ清水くるよ。今日英語の授業あるから」

 

 

 

ってことは!??

 

 

 

 

 


「こんにちわ」

 

 

まず親清水登場。

 


すわっ!親子接近遭遇かっ!!

 

「清水さん。こんにちわ。聞きましたよ。たった今。ご子息とは今日会話は交わされるんですか??」

 

 

「ん?ない。来る前に帰るから」

 


なんだ、つまらん。


「てか、今度入ってくる中途社員の人中2と小4の子供いるからその人に販促して一人でもいいから入れろって清水さんから言われてるし。そうですよね?清水さん」

 

 

 

あの笑みをたたえながら清水さん。

 

 

 

「お願いしますね。山下さん。絶対入塾させてくださいよ」

 

 

「いやいや、でも清水さんから言ってもらわないと」

 

 

「いやいや、それはやっぱり教室長の仕事でしょう」

 

 

「いやいや、でもやっぱり偉い人から言ってもらったほうが。。。」

 

 

と彼らの会話は続く。。。

 

 

子供は人身御供なのかっ!!

伊能妹事件

以前、冬期講習の申込書を早々と持ってきたお得意様伊能姉妹

その中3の妹はかなりやっかい。

 

 

クラス授業はいやっ

男はいやっ

知らない人はいやっ

いやいやのオンパレード。

 

 

 

冬期講習では、個人指導で50コマ分の授業を設定したにも関わらず、参加したのはたったの10回。もちろん、振替の電話をする優しい塾。

が、その振替すらも出席してこない。もちろんお金は全額徴収させていただきました。そういう意味ではお得意様なんです。

 


たまたまあたしが一度だけ個人指導を担当することになった。前日に

伊能、明日あたしが授業担当するからね。国語だけど何かやりたいことある??」

 

 

 

 

と極度に優しく語りかけた。

 


。。。。

こちらをじっと見て無言の彼女。

 

「特にやりたいことがないならあたしが決めちゃうけど、それでいい??」

 

 

 

うなづく彼女。

 

 

 

「じゃあ、高校入学後のために古典をやろうか?ね?」

 

 

 

とこれも非常に優しく語り掛ける。

 

頭を上下に軽く振ってOKの合図。


これなら明日休むことはないだろう。

 

 

 

 

 


翌日、時間になっても現れる様子がない。

 

くっそ、休む気かっ!

 

電話を取って家にかける。

 

 

 

「もしもし~伊能でございます~」

 

 

とおばあちゃん。

 

「○○塾です。いつもお世話様です。あのー由美さんは今いらっしゃるでしょうか?」

 

「え!ああ、はい。いますよ。あれ今日、塾でしたか!?」

 

 

 

むむ。。。なにやら怪しげな。

 

「え!ええ。今日ありますけど」

 

「あらあ~今日は塾はないって、由美は言ってたんだけど。なんか他の日に振り替えたとかで」

 

 

 

振替??そんなこと言ってないはず。てか昨日確認したぞ。

 

 

電話口で遠くにいる孫を呼ぶおばあちゃん。

 

 

 

「ゆ~み~。塾から電話よ~なんかまだ来てないですけどぉ~って。あなた今日、塾はないっていってたでしょう~」

 

 

「ああ先生、ごめんなさいね。今本人に変わりますね」

 

 

 

 

 


もしもし


地の底から湧きあがってくるような声。

 

「金田ですけど。今日、塾あるよ~」


。。。。

無言。

 

「昨日言ったじゃんねえ。国語やるって」

 

。。。あ~お腹が痛いので。。。

 

 

 

キター!!きました。得意技っっ

 

「そうかそうか、お腹痛くなっちゃったか。じゃあ、今日は来れないね」

 

たぶん。。。

 

 

 

たぶんじゃねえよ(怒)ほとんど来れないって言ってんじゃんか!自分。

 

という気持ちを押さえに押さえて

 

 

 

「無理しないでいいよ。じゃあ、今度は来週あるから、そのとき今日の分はどうするか決めようねっ」

 

 

 

あたしは受話器をブルブル握り締めながら、優しい声。

 

 

その当日、が来塾。

 

 

「いの~、今日妹の授業だったんだけど~あたしが。休んだよ」

 

 

と愚痴る。

 

「ああ、知ってるよ。なんかあの先生は 絶対いやっ て家でさっき言ってたよ」

 

 

と笑いながら。

 

 


「いやって。。。あたし彼女の授業持ったこと一度もないぞ」


「なんか、自分のフィールドに入り込んでくる元気な先生は嫌いらしいよ」

 

 

 

てか入り込まない先生なんているのかっっ!!

 


「それってあたしがさっき電話する前に言ってたの?」

 

 

うん

 

撃沈。。。


そういう生徒もいるものです。。。

勅使河原いたのかっ!事件(ファイル2)

午後9時。もちろん山下とあたしの二人は授業を早々と終わらせ、カウンター前で準備。
狭い通路を確実に封鎖。


「これで、教室から奴がでてきたらどうするんだろう。。。」


山下は落ち着かない。

 

「なんだか妙に緊張するな」


あたしもなんだか武者震いがしてきた。

 

 

じゃあ、今日はこれでお終いね


と今野先生から戦闘の合図が。

 


来る。奴は確実にくる。。。


直前に迫った未知との遭遇にあたしと山下の口数は極度に減る。

 

ガタガタという音が教室から聞こえた。


奴はこの状況にどう対処するのか?

 

ガラっっと扉が開いた。


あたしの筋肉がさらに緊張。

その刹那、

 

 

 

ズドドド

 

 

 

 

という地鳴りを響かせながら前方から奴が突進。

 


あたしは見た。鬼の形相の勅使河原。。。

 

あたしたちを視野に入れた彼女は一瞬  はっ  としたようだったが、

 

即座に二人の位置関係から  狭いスキマ  を見つけると


そこ目掛けて、態勢を低くし左肩をねじるようにしながら、二人の間をタコのようにすり抜ける。

 

 

 


ほとんど速度を落としていない勅使河原。

 

 

 

な、なんと!

この意図しない封鎖を疾風怒涛の動きでクリアー!!

 

 

 

お前はバイオハザードのアリスかっ!!


後にはグオーんという鉄扉の残音だけが響いていた。

 


封鎖失敗!!

 

 

 

もちろんこれ以上のことはできません。女性だから掴んだり、わざと動いて立ちふさがったりするとセクハラになってしまう。

 

 


ちなみに勅使河原は身体は大きいけど、かなりの美形です。

勅使河原いたのかっ!事件(ファイル1)

山下が週1回だけ、あたしと同じ教室で勤務することになった。
昔からの知り合いとともに働けるのは心地よいもの。で、調子に乗りすぎることもある。
通塾している生徒の話で盛り上がっていたところ


「あ!勅使河原って金田さん知ってます??」

「あー知ってるよ。名前だけね。見たことまだないけど」

「そうかあ、やっぱり。コマ見たらさ、今日授業なんだよね、彼女」


ほー毎週金曜日にきてるのか。ん?でも一度もほんとに見たことないなあ。


「だれが担当だっけ?」


とコマを調べる山下。


「ああ、今野さんだ」


今野さんは紅一点の講師。


「その勅使河原がどうかしたの?」


山下が含み笑いをしながらじっとあたしを見て


彼女、すごいですよ


あたしは好奇心に目を輝かせながら


「な、なにが。。??」


と聞いた。

 

奴はいつ来たかわからないですよ。あといつ帰ったかもわからない


「それは忍びのようにそっと入ってきて授業終わったら気づかれないようにそっと帰っていくから?」

 

しばし山下沈黙。


「そう思うでしょ。でもちがーう」

 

含み笑いがだんだんと口が開いて、終いには突然


あっはっは。。あっはっは。。。


と勝手に声を上げて山下は笑い出した。


「全然意味わかんないんだけど。しかも思い出し笑いかよ」


「てゆうか、勅使河原ね。俺来たかどうかわかるし


ん?こいつ何言ってんだ。さっきと逆のこと言ってる。ボケたか??


「意味わかんないよね~じゃあ、今日奴来るから注意してみればわかるから。そんときまでのお楽しみってことで。。。あっはっは。。。あっはっは。。。


馬鹿笑いを繰り返す山下。

 

 

 

あたしと山下は玄関前のカウンターに陣取って奴が現れるのを待った。もうすでに山下はニヤついている。

午後7時半。ちょうど授業が始まる時刻だ。続々と他の生徒が現れて挨拶していく。

 

 

 

 

ふと聞いた。

 

 

 

「でも山下なんで勅使河原のこと知ってるの?」

「去年、担当してたから」

「そうなんだ。で彼女は遅刻派??」

「うん。そう。遅刻派」

「そうなんだ、じゃあ。。。」

 

とあたしが言いかけた途端、ものすごい勢いで玄関の鉄扉がゴオンという轟音を響かせて開いた。


はっ?と思った瞬間、あたしの目の前を何かがダダダダって通り過ぎた。


え!?え!?えぇぇ??


隣の山下は既に豪笑


な、何が起こったんだ??一体あたしの目の前を通った物体は何?何??何なの???


笑い終えた山下が一言。


奴です


えぇぇ!!

 

そう、彼女は外の階段を勢いよく上ってくると、その速度を落とさず鉄扉に突進し、開いたところでカウンター前に出ると左に急角度で曲がり速度を全く落とさず豪快に自分の教室まで駆け込むのだった。


機動隊の突入??ラグビーのトライっすか??


そして帰りも同様の形で去っていくのだという。


「なんで??」

「わかんない」

「ふむ。。。」

 

 

 

 

そこで山下が面白いことを言った。


「金田さん。今日、勅使河原が授業終わる頃に、カウンターの廊下のところで二人で待ってましょうよ。で、二人で立って通路塞いでたらどうなるんだろう。。。」

 

 

 

とナイスな提案。

 

 

 

「いい♪それ。面白いよ」

 

 

 

 

川崎事件(ファイル3)

とうとうタブーを犯してしまった川崎先生

授業が終了し、事務室に戻ってきた。

 

 

 

「川崎先生、ちょっと」

 

 

 

と言ってあたしは彼を呼んだ。

 

「はい。何でしょう?」

 

平然と答える髭親父

 

「とりあえず、ここに座ってよ」

 

 

と近くの椅子を差し出した。

素直に座るやいなや

 

 

 

「さっきの授業でさ、本田いたじゃん。あいつ授業中に学校の宿題やってなかった??

 

やってました

 

即答する髭(怒

 

「あれはさ、三宅室長に断りいれたの?授業中、彼に学校の宿題をやらせますって」

 

 

「いいえ」

 

 

「じゃあ、あなたの勝手な判断で彼に宿題をやらせたの?」

 

 

「そうです」

 

そ、そうですって!!

 

「彼が授業中に宿題やらせてくれって言ってきたんだ?」

 

 

「そうです」

 

 

「で、あなたはOKだしたってことだよね?」

 

 

「おっしゃるとおりです」

 


お、おっしゃる??尊敬語かよ。

 

と言っても顔面毛むくじゃらで全然表情が読めない。

 

 

 

「。。。塾の冬期講習の授業中に学校の宿題やらせていいの??」

「。。。。」

「あいつ冬期講習の授業料払ってるんだよ。その授業中に学校の宿題やってていいの?」

「よくないです」

 

は?

 

「よくないのわかっててやらせてたんだ」

「はい」


プチっっ

 

お前、頭おかしいんじゃねえーのか?アホ??

 

 

 

いますぐこの場から消えろっ髭っという言葉をあたしはかろうじて飲み込んだ。

 

 

 

「これでさ、今日生徒が家に帰って親に何やってきたの?って聞かれて学校の宿題やってたって答えたらさ。なに~(怒)こっちは金払ってまで講習に出してるのに、なにごとかーってクレームの電話きたらどうすんの?俺そのクレーム処理できないよ。どう考えたってこっちに非があるもん。あんた、親に説明できるの?俺は説明できないね。そう思わない??」

 

 


「おっしゃるとおりです」

 

 

 

慇懃無礼髭っ(怒

 

 

 

「今までにもこういうことあったの?」

「いえ、今回が初めてです」

 

ほんとか~??髭

 

「もしさ、生徒にそういう風に宿題やらせてほしいって言われてどうしたらいいか判断つかなかったら、三宅室長に聞くだろう。普通」

 

 


「ごもっともです」

 


うおおおお!!今度はごもっともかっ!!

 

「あのさ、ごもっともはいいけどさ。口じゃなくて行動で示してよ。口ではなんとでも言えるからさ。変えてよ、そのあんたの行動を。生徒コントロールが大切だって言ったじゃん。なんでやんないの。それやってよ」

 

 

「はい。承知しました」

 

 

 

こ、こいつすげえムカツク。

 

髭密林に隠れた表情の奥には全く反省の色ない彼の姿があるんだろーな。。。

 

それにしても、こいついったいどうするんだろう。。。

 


が、1月すぐに。。。彼は退職を希望。理由は、当塾の方針についていけないとのこと。


あたしが当髭の方針についていけないんですけど。


あーいなくなって清々した(喜