第5回 北区の読書会 第二部 内容 | 本人訴訟日記(以前→過払い金請求日記)

第5回 北区の読書会 第二部 内容

第5回 北区の読書会 第二部 内容






9/27(日) 第5回2部読書会(書籍紹介型)を14:30~16:30で実施しました。

参加メンバーは5名。

新しいメンバーが1名参加されましたので、最初に全員の自己紹介を行ないました。

新メンバーは、中3生の男子です。


5回1





『森田真生特集(別冊みんなのミシマガジン)』

森田氏は30歳の独立研究者で、京都の山奥に住み数学の講演などで生計を立てている。東京大学に文系で入学するも数学科を卒業。岡潔の本に感銘を受けて21歳で数学者を志す。2年前に結婚。講演会には大人も子どもも参加でき、私は3回でたことがある。

今回の雑誌は、森田氏の特集で、数学のエッセイや講演会の内容が掲載されている。

彼の専門は圏論学といい、カテゴリに関する学問である。弘法大師空海の話から始まったりする講演は、数学というものを別角度から説明していて、数学嫌いな人も数学に興味を持てるような内容となっている。特に数学に対する誤解されたイメージを解くことに傾倒している。

数学はマテーマタと呼ばれ、つかんでいるものをつかみ直すという意味がある。別の言葉で言い換えれば、認識を改めると言うこと。知性に関する知がマスマテックスである。

二次方程式はXの解を求めることだが、本来は二次方程式とはいったいなんなのかというところから出発している。数字は3までは見て理解することができる が、4以上は見ても理解が素早くできないため、別の記号に置き換えられる。アラビア数字は見て理解しやすいと言うよりも書きやすさを重視して生れた。


今回はホワイトボードを使った説明を入れてくれました。

中3生に合わせて、二次方程式の因数分解や解の公式なんかが出てきました!

それにしても世の中には振り切っちゃう人っているんですねー。






『しろいうさぎとくろいうさぎ』

絵柄が気に入っている。くろうさぎがときどき考え事をしているのを見たしろうさぎが問うと、「ずっと一緒にいられるのかが心配で」と答える。しろうさぎは「一生懸命一緒にいたいと願っていればいい」と答える。最終的には結婚して末永く仲良く暮らすという話。

この話の結末に納得がいかない友人二人がいたので、なぜ納得がいかないかの疑問をここでみんなに聞きたい。

二度と苦しむことがなかったという部分が非現実的と思えるのではないか?大団円では理想的すぎる?

プロポーズの言葉を男に言わせる女性のしたたかさに違和感を感じたのではないか?




絵本の結末に現実性を入れちゃって納得いかない人っているんですねー。

ちなみにその二人の友人は男性で、私も知っている人なんですけどねー。

絵本の紹介を私もいずれしたいなと思っています。








『陰陽師』(夢枕漠著)

安倍晴明と源博雅が宮廷の鬼の事件を解決する話。短編集になっていて読みやすい。

読むきっかけは、家に置いてあったのと、映画を見て面白くて読んだ。内容は映画とは別物である。

鬼というのは、強い恨みを持った人間だったり、物に意志が宿ったりするもの。例えば、笛を愛していてどうしてもその笛を吹きたいという強い欲望が鬼となって出現する。

晴明は紙を人に変えて鬼を退治する道具に使ったりする。空海にひっついていた蝶や他のものを操って鬼を退治する。

晴明は博雅を小馬鹿にしているが、実は信頼しているところが良い。事件の解決は晴明がするというよりも博雅にさせて自分は楽しんでいるところがある。また、多感な博雅は心情が変化しやすく人間味があるから好きな人物。

晴明自身も実際には良い人で、あまり周りの目は気にしないような人。

好きなエピソードは、肝が一番据わっているのは誰かを競うことになり、幽霊がでるような橋に一人で博雅が出掛けていった。橋の下に隠れていたカエルが女性に化けて博雅にとりつく。これもまた晴明が博雅自身に討伐させるところが良い。


前日までどうしようどうしようと悩んでいた中3生。

こんなことなら読書記録をしておけばよかったとまで言っていましたが、彼の説明は分かりやすかったですよ。

こちらからの質問にも的確に答えてくれました。

次回は、もっとちゃんと練って読んで参加すると言っていました。

ちょっと自分の紹介がうまくできずに悔しかったようです。

でもそれいいことです。




■続いて私。

『先物取引被害救済の手引き』

読むきっかけは、15年以上前に先物取引で大きな損失を出したが、知識や経験が増え、騙されたことに気づき憤慨。何とか一矢報いる方法はないかと思い、本人訴訟を行おうと考えた。そのときに役に立ったのがこの書籍。

 

内容は、先物取引の法理の概要、被害の実態、取引の類型と問題点、対策、判例が掲載されている。特 に、当事者にとっては、業者別の訴訟件数、事件の把握方法、裁判方法の手続き、証拠の保全方法、立証の方法、先物取引の過去の判例、訴状・準備書面の フォーマットなどがふんだんに書かれており、この書物なしでは訴訟を提起することはできないでしょう。弁護士など法曹関係者に向けて書かれたものだが、先 物取引を自分で行った経験のある一般人ならば十分に理解可能である。

 

編者は、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会。発行者は、民事法研究会。

 

民事法研究会は、他に独立図書として、建物明渡し、過払い金返還請求、相続事件、破産、保険金の請求、離婚調停、後見人、事業譲渡、登記実務、特定商取引、少額訴訟の方法などを出版している。

 

日本弁護士連合会消費者問題対策委員会は、他に独立図書として、フランチャイズ事件、公益通報者保護、保証人保護、欠陥住宅被害、金融商品取引被害、宗教トラブル被害、消費者訴訟の方法などを編集している。

 

もし自分が消費者問題の当事者となった場合には、代理人を頼むことができなくても、自分で調べて対応することがこれらの書物で可能になると思う。








■最後はうちの妻です。

『山川さん、黒齋さん、いまさらながら スピリチュアルって何ですか?』

対談形式。幸せな生き方とは何かを伝えている。山川夫妻は、日本で初めてスピリチュアルの翻訳本を出した人たち。

スピリチュアルが存在するのかどうかという点について、あった方がいろいろと物事が理解しやすいと思うならばそれでいいんじゃないかと言っている。人生は 楽しむのが目的であり、自分自身を深く知ることも大切であると述べている。自分自身を深く知っていれば、自己アピールを他者にしたときにだいたい他者は受 け入れてくれるものである。本当の自分に戻ることができたときに人は幸せになれると言っている。


5回2






今回の読書会は、初めて絵本の紹介がありました。

また、雑誌の紹介もあり、またまたバラエティに富んだものとなりました。



皆さんの今回の感想は、

■疑問点を持って参加したいと思う。次回はひねくれた本を紹介したい。

■違った年代の参加者、多種多様な紹介本があり面白かった。

■出てきた紹介本がみなバラバラで素晴らしかった。次も面白い本を持ってきたい。

■絵本が出てきたのが面白かった。疑問を持って参加してくれたところも面白かった。

■2時間で5人は時間的にも紹介的にも妥当だった。学生の初参加ということで、本来の読書会の目的に一歩近づいたのは良いと思いました。参加者が、次も参加したいと言ってくれて実際に参加してくれるのは本当にありがたいことです。